日本にある飲食店ではホールスタッフが忙しそうに動き回っている光景をよく目にしますよね。
ランチやディナーの忙しい時間帯ならまだしもお客さんの比較的入ってこないアイドルタイムまで。
経営者にとってはギリギリの経費で運営しなければいけないのはわかるのですが働かされているスタッフは大変。経費削減による飲食店の労働環境の過酷さはアルバイトでも経験したことがあればわかるはと思います。
しかしもとっと酷いのはそれが普通の感覚にすらなっていること。
飲食店は「キツくて当たり前」という感覚から何の後ろめたさもなく従業員をこき使い、働かせる日本の企業はたくさんあります。
従業員もそれが当たり前なのだと文句も言わず働きます。
労働条件を改善するために立ち上がる人なんかなかなかいません。
その結果、過労死や自殺という悲劇が起こってしまいます。
しかし中国の飲食店では日本のこのような光景はあまり見られないことに飲食業に携わる私はおどろかされました。
「キツくて当たり前なはずの飲食業」は中国では通用しないのです。
のんびりスタイル中国の飲食店
確かに日本に比べて中国の飲食店スタッフはのんびりしています。
いろんな飲食店に入りましたがそういうところが多いんです。
入客が多く忙しい時間帯ではそうでもないですが、アイドルタイムなんかはおしゃべりやスマホを見てくつろいでいるのをよく目にします。
このように飲食店なのにくつろぐ時間があるのはスタッフが多いせいもあるでしょう
わかりやすい例でいえば中国のマック。
日本のマックでは食べ終わったらお客さんが自分でトレーとゴミを片付けるはずです。
でも中国ではテーブル担当が片付けます。
そのテーブル担当も片付けるものがなければお店のすみでのんびりしています。
もしこれが日本だったらまずテーブルだけを担当するスタッフはいません。
それにテーブルだけでなく他の業務も同時に担当し、手の空く時間などないはずです。
日本の飲食店でこんなふうに手を持て余していたら店長にどやされそうなもの。
すぐに他の仕事を与えられそうです。
日本の飲食店はキツくてもそれが当たり前
日本の飲食店の労働状況は周知のとおり厳しいものです。
優良企業も少なくほ規定以上の残業をしている職場は多いです(少なくとも私が働いた職場では全て)。
私もひどい時は月150時間ほどの残業は当たり前でした。一日にすると15時間の労働です。
日本ではこれが当たり前のようになっています。
実際わたしも日本を出るまではこう思っていました。
過酷な労働環境に半分諦めながら甘んじて働いていたわけです。
日本人の仕事に対する観念が美化され過ぎ
先輩から聞いたのですが一昔前の飲食業界では「寝ずに働くのがかっこいい」というほど長時間労働が美化されていたようです。
今では意味不明ですがそのような風習があったため私たちにも過剰労働を余儀なくされる土台ができあがったのではないでしょうかう。
そのような風習は時代とともに風化していくでしょうが残るところにはのこります。
昔よりはよくなったとはいえ現在も根強い影響力がある昔の風習はしばらく続いてしまうでしょう。
中国でも自殺は確かにある
自殺者の数で言うならば中国も少なくありません。
年間25万人ともいいますし35万人ともいいます。
総人口あたりの比率でいうならば、自殺大国の日本にもひけをとらない数字ですが、私が言いたいのは数字の話ではなく飲食業界においては自殺過労死が中国のほうが少ないはずだということ。
中国も日本も職業による数字は確かではありませんが中国の飲食店を見ているとそう思うのは私だけではないはずです。
私が中国の日本料理店で働いた時は
私も料理人として中国で働いたり、現地のいろんなお店に食べに行ったりしました。
単純にそこで感じたのは日本に比べて仕事量が少ないんです。
仕事量も少なく働く時間も短い、休日もある。
仕事量を例えて言うなら区役所で働く公務員ほどではないかなと思いました。
実際公務員として働いたことがあるわけではありませんが、週休2日、1日8時間労働が基本、仕事もそんなに詰めてやらなくても間に合うというイメージがあります(間違ってたらごめんなさい)。
まさに中国で働いた時はそんな感じでした。
日本人の働き方はおかしい
飲食業しか知らない私ですがこの業界でも自殺、過労死は多いです。
そこまでして働く人は完全に洗脳されてしまっているかマインドコントロールされているかのどちらかではないでしょうか。
それも経営者が洗脳しようとしているのではなく、昔からある日本人の働き方に対する考え方や風習が事業主や従業員を自らそうさせているようにしかに思えてなりません。
良く言えば責任感と言えるかもしれませんが、自殺過労死までして責任感を追い求める必要はあるのでしょうか。戦国時代でもあるまいし。
飲食業で心も体も疲れたという人は是非中国に行ってみるといいと思います。
そして飲食店に入ってみてください。そうすれば飲食業はツラくて当たり前という固定感は吹き飛ぶでしょう。
仕事に対する考え方が変わり今までひたすら魂つめて働いてきた自分にもっと優しくできるようになるはずです。
仕事の量は変わらないかもしれませんが気の持ちようで心が楽になるのは私だけではないはずです。