私が日本で30年間飲んでいたスーパーやコンビニで売っているパックの牛乳。
そして私が現在暮らしている中国内モンゴルで放牧されているウシから搾乳した牛乳。
この二つを比べた感想です。
内モンゴルで放牧されているウシ
中国内モンゴルで放牧されているウシは肉牛が多いですが、乳牛と同じようにメスウシは牛乳が搾乳できます。
といっても搾乳できるミルクの量は乳牛に比べると少なめ。
また内モンゴルの家畜農家は母ウシから牛乳を搾りきらず子牛にも授乳させることがおおいため更に少なくなります。
内モンゴルで放牧されているウシが食べるのは草原の草と人が与えるトウモロコシがほとんど。
飼料も与えますが体調が悪くなってしまったり、出産後の体力が弱っている時期だけで、基本は自然由来のものだけです。
また毎日草原を自由に歩き回り餌を探すので運動量も十分ですし、ストレスもたまりにくくのびのびと生活しています。
日本で飼育される乳牛
日本で飼育されている乳牛は牛乳がよく出るように栄養がある農耕飼料を与えられて育っています。
飼料は草由来のものの他、穀類やタンパク質の豊富な豆類を原料としていて牛乳がよく出るようになったり短期間で体重が増えるようになるのです。
さらに飼料によっては食肉や魚肉由来のもののほか科学物質が含まれているものもあたえることがあると言います。
国境をまたぐ味比べ
日本の牛乳を中国持ち込むのは飛行機搭乗時の手荷物検査ではじかれてしまうので無理。
なので始めに言うと味比べといっても二つ牛乳を両手に持って一つずつ飲んでみたというわけではありませんのであしからず。
しかし30年近くも飲み続け、舌に刷り込まれたパック牛乳の味はなかなか忘れられません。
そしてその味を思い出した上で草原の牛乳を飲んでみれば味の比較はできるはずと思いやってみました。
二つの牛乳の違い
二つの牛乳のを飲んでみた結果、味の本質的な違いはありませんでした。
両方とも牛乳の味がします。
また見た目の透明度や色合いも特に違いはないようです。
内モンゴルで放牧されているのは肉牛がメインなのでもしかしたら日本の乳牛の牛乳と根本的な何かが違うかもしれないと思ったのですがそうではありませんでした。
しかし牛乳という基礎の部分意外で大きな違いが二つはっきりと感じとれました。
それはまず内モンゴルの牛乳のほうは飲んだ感じががまったりと濃いということです。
私が日本でよく飲んでいた3.6牛乳は草原の牛乳に比べさらりとしているっていうか、飲んだ感じあっさりしている感じがします。
その原因は私でもわかります。
なぜなら草原の牛乳は生クリームを分離させていないから。
草原のウシから搾ったままの牛乳なので当然と言えば当然です、これは。
しかし二つ目の違いは明らかなものでした。
それは草原の牛乳はかすかに「草の香り」がするのです。
なんと言うか草をすり潰した時にでる香りというのでしょうか。
始めに飲んだで草の香りを感じた時は正直驚きました。
「うわっ!?,めっちゃ草の香りがする!!」
って妻しかわからない日本語で言っちゃいましたからね。
これは草原のウシが草ばかり食べているからと私は推測しました。
日本の乳牛も飼料を与えず草だけ食べさせるとこんな香りのする牛乳がでるのでしょうか。
牛乳苦手な私
実は私は小さい頃牛乳が大の苦手でした。
特に温められたホットミルク。
それが幼稚園の給食で毎日出されて、全員必ず飲まなければいけませんでした。
唯一の救いは自分で量を調節してコップに注げること。
なので私は毎日なめる程度しか注がず、まずそうに数滴飲むだけでだったのです。
牛乳の何が苦手だったかというとあの匂い。
冷たければ匂いもあまり感じず飲めるのです。
でも常温以上になると匂いが気になってまずく感じてしまいます。
それは大人になった今でもでもそうで、牛乳は胃が悪くなりそうなキンキンに冷えたものしか飲みません。
カフェラテなんかのコーヒーでわってあるものは全然大丈夫なのですが牛乳単体で温めると今でも匂いが気になって飲む気がしないのです。
しかし内モンゴルの草原の牛乳は温めてもあのいやな匂いがしません。
初めて草原のウシのホットミルクを飲んだのは義母が自分の飼っているウシの牛乳を温めて持ってきてくれたときのこと。
拒絶感がありましたがせっかく持ってきてくれたものを拒むのも申し訳ないので我慢して飲もうとしたのです。
しかしパック牛乳のようなイヤな匂いはせず草の香りがしただけでスーッと飲めたのです。
あれは感動でした。
ウシも美味しい牛乳を出すもんだと。
二つの牛乳の味の違いの原因は食べるものによるという私の考えに賛同してくれる方はいらっしゃるでしょうか。
もしかしたらウシの種類や育つ環境などの条件の違いも関係しているかも知れません。
しかし内モンゴルのウシのする糞が全く臭くないのを考えると私の考えは更に正確さを増していくはずです。
→臭わない糞を使ってエコ生活