生まれたばかりの赤ちゃんを乗せてクルマを利用することがありますよね。
里帰りや病院に行く必要があったりといろいろですが、首がくにゃくにゃで体全体もまだ未熟な新生児をクルマに乗せていいのかは心配なところ。
私達も普段はなにかとクルマで移動することが多いのですが、生後半年ぐらいまでは乗せるのを控えようと思ってはいました。
しかし、生まれた子供は未熟児だったのに加え特殊な状況が重なり生後一日目からクルマに乗せることになったのです。
双子のうち一人が生まれてすぐ転院することに
ありがたくも私達に双子が生まれたのはつい最近のことですが、すべてが順調だったわけではありません。
今でこそ4人で平和に暮らしていますが、当初産後の体調が悪かった妻に合わせて双子のうちの次男は呼吸機能が未熟。
→双子出産で3人とも危機一発でした
しかもそれを治療する設備やクスリが病院になく、ほかの都市にある病院に転院することになったのです。
日本であれば病院ごとにある程度設備はそろっているでしょうが、私達の住む中国の辺境地の街ではそこまでの環境はなく、対応できない病状や怪我があれば他の都市まで治療しに行く必要があります。
しかも中国は皆さんもご存知のとおりとても広大。
だいたいどこでも数十キロごとにそこそこの都市が点在している日本とは違い、私の住む街では大きな病院のある最寄りの都市まで160㎞も離れているのです。
そしてそのための移動手段も当然クルマ。
次男の治療のため妻と双子の長男みんなで転院することになり、生まれて1日目(生後4時間ほど)にも関わらず、クルマで移動しなければいけなかったのです。
新生児をクルマに乗せる時の一般的な見解
以前、新生児はクルマで移動させてもいいかというのをネットで調べたことがあります。
チャイルドシートやベビーシートをしっかり設置し長距離の移動は避けるということ。
そして運転中もブレーキやアクセルに気をつかい、できるだけ赤ちゃんにショックをあたえないようにしなければいけないなど、未熟な新生児の体にかかるクルマ移動による負担をできるだけ減らすようにしなければならないということがどのサイトにも書いてありました。
そのほかチャイルドシートに体が固定されてしまうのもあまりよくないようで、やむをえず長時間クルマに乗せる場合は、30分から1時間おきに休憩をとったほうがよいともあります。
どのサイトにも新生児をクルマに乗せてはけないと書いてあるわけではありませんでしたが、反対に
「全然大丈夫です!どんどん乗せてください!」
というようには書いていません。
できるだけクルマに乗せないほうがいいようなイメージ(私だけ感じた?)をもった私達は旅行はおろか里帰りもしないつもりでいたのです。
でもまさか生まれたのその日にクルマを使い、サイトで得た情報などまるっきり無視な状態で赤ちゃんをクルマ移動することになるとは思ってもいませんでした。
妻と次男は救急車で
妻と次男は急病人扱いになり救急車で都市部まで行くことになりました。
妻は滑車のついたよくある救急車用の折り畳みベットに横になり腕に点滴をつけたまま乗り込みます。
そして次男は呼吸機能が不完全だったため酸素が入ったバルーンとそれから伸びるチューブを鼻につけたままなのですが、なんと布団と毛布にくるまれ親戚に抱きかかえられてそのまま救急車で移動ということになりました。
救急車にチャイルドシートなんてありませんし、あっても生まれてほやほやの赤ちゃんを座らせるわけにはいかないのでしょう。
人に抱かれているのがベストな方法に思えました。
その状態で160㎞の距離をまだ完成しきっていない高速道路を突っ走り2時間。
その間次男坊は抱かれたままですし、抱いている人も椅子に座れるとはいえ大変だったとは思います。
幸いにも高速は新しいので道はでこぼこしておらず時速100㎞ほどで走ればそこまで振動はないかもしれませんが都市までの2時間はまるっきり休憩なし。
私はほかのクルマでその救急車に着いていきましたが、信号のない高速道路をひたすら走っていったのです。
長男は私の運転するクルマで
救急車についていった私のクルマには次男と義姉、そして生まれたばかりの長男が乗っていきます。
本来ならチャイルドシートに乗せるべきところでしょうが、前述のとおり買っておらず次男と同じく布団と毛布にくるまれて義姉に抱かれたままクルマに。
ゆっくりと走り始めた私は運転中も免許をとってから今までにないほどかなり気を使いました。
アクセルはジワリと踏んでゆっくりとした加速に。
車間距離は十分すぎるほどとりブレーキも踏んだか踏んでないかの間でしか効かせず減速します。
普段の運転は雑なほうの私ですが、前を行く救急車を見失わないギリギリのラインで安全運転し、こちらも途中休憩はないまま隣の都市の病院まで走りきりました。
生後1日目でも大丈夫?
新生児がクルマにのることによる一番の心配は振動による体の影響だと思います。
首も柔らかいですし、筋肉だって発達しきっていない未熟な体はつよい衝撃や弱くても連続したゆれに耐えられるものではないでしょう。
そして、もし振動によって影響があったとするとそれは目に見えない体の内部に異常をきたすことがおおいはず。
骨格や内蔵、揺さぶられ症候群のように脳に影響がある場合はパッと見てもそれがわからないのが恐いところです。
そんなことを心配しながらも今回の場合はやむなくクルマで移動したわけですが子供達は何か異変があったのでしょうか。
車内での長男は移動中一度も起きず気持ち良さそうに眠っていましたし、救急車にいた次男も1度も目を覚まさずじっとしていたといいます。
布団と毛布に包まれたうえ人に抱かれていたため気持ちがよかったのか、それとも生まれたばかりで寝ることが当たり前だったからなのかわかりませんが、見たところは何も問題なさそうでした。
一方私達がパッと見てもわかりそうもない体の内部はどうなのでしょう。
転院、退院を経て3ヶ月が経とうとしている今、子供達は毎日元気にミルクを飲んでいますし、体重も見事に増加しています。
新生児をクルマに乗せたあとも心配していた私達ですが、今まではなにも異常は見られなかったため特に検査することもありませんでした。
ただこれ以降のことは実際わかるわけではないですから、生後1日目にクルマで2時間移動をしたことによる影響が全くなかったとははっきりいえませんが‥。
中国の田舎の常識
日本ならばまずこんなことはないと思いますが私達のすむ中国の辺鄙な街ではよくあるケースだとか。
私達はまだいいほうで以前は高速道路ではなく下道しかなかったといいますから赤ちゃんをクルマで運ぶのもさらに条件が悪かったようです。
ちなみに転院するときにクルマに乗せただけでなく帰りも当然クルマで帰ってきましたし、次男再検査のため同じ病院にさらにもう一度クルマで行きました。
多少危険があることはわかりますが、私達の住む場所を考えればやむをえません。
小さい病院に留まって命を危険にさらすのか。
それとも多少危険はあるかもしれないがクルマで大都市の病院まで行くのか。
状況を考えれば後者を選ぶのは当然です。
無責任な言い方になりますが今回のことで生まれて間もない赤ちゃんでもクルマに乗せても大丈夫(だろう)という結論になりました。
子供の体内のかくれた怪我が本性を現すのではないかとしばらく心配していましたが、時間の経過とこの辺では当たり前のことという周りからの話にそんな気持ちも薄れつつあります。
かなり特殊な例でしたがやむを得ずクルマを利用するのであれば運転に気を使ったりよい道を選んだりするべきです。
布団や毛布に包むのは衝撃吸収になりますが、保温性も抜群なので車内の温度は調節しなければいけません。
チャイルドシートについて言えば、人の腕に抱かれていてもある程度の衝撃を吸収できるはずなのでなしでもいいのでしょう。
法律はと言われると困りますが、赤ちゃんに危害がある場合は使用しなくてもいいとも書いてあります。
シートは事故の時には役立つはずですが、道が悪ければシートに固定されている体はもろにクルマの振動を受けることもあるはずですし、私達のように生まれて1日目の子にチャイルドシートはさすがに勇気がいるはずです。
以上、内モンゴルの草原から参考までにお伝えします。