私はそれまで神仏に対する信仰といえば大晦日にお寺にお参りに行くぐらいでした。
習慣的にみんなで楽しくお寺にいき、年末気分を楽しむというような感じです。
お祈りは真剣にするものの大晦日以外に神様仏様に手を合わせることなどほとんどしません。
神様を全く信じていないわけではありませんでしたが、完全に信じているというとそういうわけでもなく、また神仏の存在について深く考えることなんて滅多にありません。
普通の人なら神仏に対して私と同じ考え方の人も多いはずです。
仕事も忙しいのにそんな事に頭を使えませんって。
しかし中国内モンゴルのシャーマンに出会ってから神仏に対する考えが一変してしまったのです。
シャーマンと言えば
シャーマンは世界の至る所に存在し、神仏や霊などの超自然的な存在と交信しそれらの意思を人々に伝えることができるとされています。
神仏や霊魂などを通じて有益な情報を人々にもたらし生活や生業をより良いものにすることがシャーマンの役目なのです。
私たちの日常ではシャーマンと全く関わることがないため感心を持つこともあまりありませんが、シャーマンの存在する場所では地域の人々の生活に深く関わり影響を与えているようです。
私は見たことがありませんが、日本でも青森県恐山のイタコや沖縄県のユタがシャーマンの部類と考えられ昔からその存在が確認されています。
内モンゴルで出会ったシャーマン
この内モンゴルでもシャーマンの存在が近くにあり,実際に私も年に何回か会う機会があるほどです。
私が中国内モンゴルで出会ったシャーマンは2人。
一人は私と同じ街に住んでいて、もう一人はここから200㎞以上はなれた小さな村に住んでいます。
二人とも女性で家庭を持つ主婦です。
シャーマンというと服装や様子が一般人とはかけ離れているイメージがあるかもしれませんが、その人達の見た目は普通の人と変わりませんし、生活もノーマルそのものです。
誰でも着ているような普段着、話すことも世間話や自分の子どもの話など。
私も初めてあった時、本当にシャーマンかなと疑ったほどです。
シャーマンの交信
神仏と交信する時の方法はシャーマンによってさまざまです。
私がよく会うシャーマンの一人は線香を立てて神仏が話すのを聞き、もう一人は特になにもすることなくに神仏から伝わった情報を話し始めます。
話では舞踏によって交信するシャーマンもいるとのこと。
怪しげな服装と仮面をつけ夜を待って踊り交信するといいます。
交信の方法は違いますが、それぞれの儀式が終われば私たちの見えない物が見え、聞こえないものが聞こえるのです。
私の前世は中国人だと言われた
「あなたの前世は中国人だよ」
シャーマンが私を見てそういいました。
私が日本で料理人として働き普通に生活を送っていた頃にそんなことを言われても全く本気にしなかったでしょう。
シャーマンが言うのは私の前世が中国人だからはここ(中国内モンゴル)まで来た、というのです。
言われた時はまだ中国に来て日が浅くにわかには信じられませんでしたが、その後の自分に言われたことや人の話を聞いているとそのシャーマンは本当の事を言っているとしか思えないのです。
私自信、自分の前世を実感しようがないので残念ですが、全く思い当たるふしがないわけではありませんでしたし。
シャーマンが見えているもの
ここで気になったのはシャーマンが儀式によって具体的に何が見えるようになるのかです。
実際にシャーマン達に何が見えているのが何なのかは私たちには具体的にはわかりません。
いつかは直接聞いてみたいですが、今はそんなに関係も深くなく、おこがましくて聞けないのです。
しかしシャーマン達が話してくれる事から推測することはできます。
ここではシャーマンが私たちに話してくれた事と、ほか親戚や知り合いがシャーマンから聞いた事をもとに推測してみました。
・神仏が見えその意思が理解できる
シャーマンの見えている神仏はシャーマンに対して話しをするのか、それともなにかテレパシーのようなもので交信するのかわかりませんが、神仏の意思が理解できていることは確かです。
テレビでもよくあるように神仏がシャーマンに乗り移りトランス状態にさせ神仏が直接人々にしゃべることもあるようですが、私の知っている人たちは完全に正気を保ち、取り乱すことなく普通に話します。
・人の魂が見える
私の前世がわかるということは私の魂が何らかの情報をシャーマンが得ているということです。
人に前世というものがあるのならば今の私の魂が以前他の肉体に宿っていた事があり、それが今の私の体に乗り移ったということです。
チベットでは高僧が死んだときその生まれ変わりを探しだし同じく崇めるといいます。
偉い仏僧の魂はその肉体が死んだら替りの新しい肉体を見つけ生まれ変わり生き続けると考えられているのです。
・死んだ人の魂も見える
原因不明の体の不調を訴える人、何をやってもうまくいかない人、というのは死んだ肉体を離れた魂がその人に憑いていて悪い影響を与えているという話を何回か聞きました。
シャーマンはその魂が誰のものかもわかり取り除く方法も知っています。
私が聞いた限りでは身近で亡くなった人の魂がその人について体の不調をもたらすようです。
魂は元の肉体が死んだ時に怨恨があると成仏することなく生きた人に憑いたり見たりするといいます。
このように体の不調を訴えてシャーマンのもとを訪ねる人は少なくありません。
私が同行しただけでも10人以上います。
それぞれシャーマンに見てもらいその人にあったいろいろなお祓いや破魔を行います
これらの推測で穴があるとすれば、シャーマンが見える神仏が全ての情報を伝えているかもしれないということ。
神仏が私の魂を見て前世の情報をシャーマンに伝えているのであれば人の魂をシャーマンが見える必要はありません。
あくまで今の段階では推測なので残念ですが、それはシャーマンに直接聞く機会があるのを願うばかりです。
シャーマンの話から私が推測できたことは他にもいろいろありますがそれはまた次の機会に紹介します。
私はシャーマンと出会って超常現象や超自然的存在に対する考え方が変わりました。
普通の人ではそれらは見えないため「信じる」という言い方になってしまいますが、私の場合すでにそれは「いる」「ある」という完全肯定です。
これからもシャーマンと接触する中で神仏や霊魂の存在を否定しようがない出来事があるはずでしょう。
また続きは今度書きたいと思います。