私もこれまで10年以上調理師として飲食店で働いてきました。
誰でも知っていると思いますが飲食業界の労働条件はよくありません。
長時間で重労働。
そんな環境で働いたら怪我の一つや二つするものです。
私も今までやってきていろいろな怪我を体験してきました。
21歳で足が痺れが止まらない
始めての就職先のことです。
中華料理のオープニング店舗でしたが、お店も大きくなくキッチンは2,3人でまわす程度の大きさです。
始めはスタッフの人数が多くにぎやかで良かったのですが、月日がたつと社員もどんどん人数が減っていき2年がたつ頃には私一人だけに。
それと同時に私の一日の労働時間が増え休日が減って体にも過度の負担がかかるようになりました。
その時の心はまだ疲れ知らずでしたが体は正直です。
1日14時間以上働くことが当たり前になり2ヶ月ぐらい連続で出勤していた頃、徐々に太ももに痛みを感じるようになり痺れもでてきました。
寝ていても起きていても痺れや痛みの度合いは変わらず足をぶらぶらさせて痛みをごまかしながら仕事をしたのを憶えています。
病院にいったら「座骨神経痛」と診断されたのですが仕事のため治療もままなりませんでした。
結局病院は初回しか行けずじまい。
治療は必要とはわかっているものの、痛みをこらえれば仕事はできるためそのまま惰性で3年半ほどほったらかしにしてしまいました。
若さもあってあまり気にしていなかったのもあります。
座骨神経痛は頑張れば治る
治ったのは職場が変わり半年ほどした時です。
新しい職場は労働環境がよく休日も十分にありました。
労働時間も仕事の終わりにランニングをして帰れるほどの余裕さです。
その時は家でストレッチもよくやります。
足の痺れや痛みは残っていたのですが運動すると少し和らぐ気がしてトレーニングは続けました。
痺れた足でも構わずに走ります。
職場が変わって時間に余裕があったのですが、いまさら感があり病院には行ってません。
そんなこんなで4ヶ月を過ぎたころ、痺れと痛みが少しずつ薄くなっていると感じたんです。
ストレッチとランニングをやり続け半年した頃にはまったく痺れを感じないようになっていました。
自分でトレーニングしたら座骨神経痛が治ったんです。
これは間違いなくランニングとストレッチのおかげです。
自分のことだからわかりますが労働環境がよくなり仕事がラクだったから治ったわけではありません。
百歩ゆずってあるとしても5%ほどの原因でしょう。
運動は体にいいんだ!
そう実感した体験です。
遺伝すると噂のヘルニアになる
飲食店経営企業はブラックが多いですがあそこほど真っ黒なところは経験したことがありません。
どれぐらい黒いかは皆さんの想像にお任せしますが、とにかく私は働かされすぎてヘルニアになりました。
料理人にも良くある椎間板ヘルニアですが、患った直後の痛みには絶望させられます。
人生を覚悟するような激痛だったのですが、意外と治るもんです。
始めの治療はブロック注射でした。
神経を麻痺させ痛みを和らげるらしいのですが、ヘルニアになった直後の激痛はこれで治まりました。
といっても完全に痛くないわけではなく通常の生活なら少し我慢すればできるほどのものです。
しかし私は仕事をしなければいけなかったのです。
人も足りず休みたい時に休めないのが飲食店。
病院でもらったロキソニンテープと痛み止めと簡易コルセットで病院から帰ってすぐ仕事に出ました。
当然仕事の能率は落ちます。
それでもなんとかごまかしながらやりました。
仕事もさすがに休みを多めにもらい病院に週2、3日通いました。
治療は腰を専用の器具でのばしたり弱い電流を流す電気療法。
その他オーダーメイドのコルセットを作ってもらったのですが、価格がなんと4万円。
一人一人に合わせて作るので結構高いのです。
ほかにも病院に行くたびに使い切れないぐらいの大量の錠剤ロキソニンとロキソニンテープを渡されました。
結局完治したのは半年ぐらい病院に通ってからです。
徐々に痛みがなくなり腰の違和感も消えました。
ヘルニアになった直後は激しい痛みでもうダメかと絶望しましたが治ったらケロッとしています。
労災を申請して治療費をタダに
痛みは全くありませんが手元にロキソニンテープと錠剤ロキソニンが
大量に残りました。
半年間の通院費も結構なもののはずです。
しかし私は正確な治療費を把握していません。
おそらく20万ほどかかったのではないでしょうか。
今回は自力では治せず病院にかかりましたが、私は治療費も一円も負担していません。
すべては労働災害保険でまかなわれたのです。
労災を申請するために書類を書くのが面倒でしたが、ブラック企業で働いてした怪我を自費で治すほどバカらしいことはないと思いイヤな顔をする上司をいいまかせました。
労災の申請があった企業は労働基準監督署の調査が入る可能性があるのでブラック企業からしたら歓迎できるものではありません。
上司もそれをわかって労災の申請を嫌がるのです。
これは従業員すら顧みないブラック企業体質のあらわれといえるでしょう。
チャーハン祭りでチャーハンを作りすぎて腱鞘炎に
全国展開している大衆中華料理店で働いていたことがありました。
そうです。
餃子が売りのあのお店です。
いつも特定の商品のフェアをやっていて、それがチャーハンの時がありました。
つまり通常よりチャーハンの値段が安くお客さんからの注文がふえるわけです。
チャーハンを作るのはタダでさえ大変なのにチャーハンばっかりの注文が来たらたまりません。
ひたすら重い中華鍋を振り続けなければならず手と腕をかなり酷使します。
特にランチタイムではよく注文が入り頑張って間に合わせようと無理してしまうわけです。
私の手もそんなチャーハンフェアにやられました。
左手の薬指の調子が悪くなり拳を握ると付け根あたりが痛むのです。
また薬指を曲げようとするとカクッとバネをつけたような動きになります。
いわゆる「バネ指」というやつです。
バネ指は典型的な腱鞘炎の症状らしく私もネットで調べました。
今回は医者にかからず自分で判断したのですが、症状を見る限り十中八九腱鞘炎です。
治療には安静が必要と書いてあったのですが、仕事が休めそうもないので病院は行きませんでした。
中国へ行くために間もなく仕事を辞めるつもりだったこともそうさせました。
朝起きたばかりの時が最も指がまげにくく、日中活動しているといく分よくなります。
しかし仕事を続けていくうちに痛みと違和感が増していくのです。
また無理に指を曲げのばしてストレッチしたら症状が悪化したことがありました。
実際仕事を辞め中国での肉体労働をしない生活を続けているうちに、回復には向かっています。
内モンゴルで中国風の治療をすすめられたのですが、聞くと恐ろしい治療法なのでやりたくありません。
もうしばらく自然に治るのを待とうと思います。