日本国内でも外国人と知り合う機会が多くなった今,交際している外国人の恋人と結婚を考える人も少なくないでしょう。
結婚相手は日本人同士でなければいけないなんて決まりはないですし、相思相愛であれば国籍が違っても幸せな結婚生活を送れるには違いないでしょう。
でも外国人と結婚しようとするのならば知っておいたほうがいいこともあります。
国際結婚では日本人の結婚観ではとらえきれない事情が存在し,それを知っておくことで問題を回避し結婚後の生活をより良いものにできることもあるからです。
ここでは中国籍の妻を持つ私の経験をもとに外国人の中でも特に中国人との結婚について配慮しておくべきことをまとめました
男性に求められるもの
中国では「一人っ子政策」のために男性の数が女性の数を大きく上回り、結婚できない男性が増加しているという社会問題がおきているというのをニュースで聞いたことがある人もいるかと思います。
国の政策で子供を一人しか生むことを許されないため、家系の血を絶やしたくないという人々が生み分けで男の子ばかりを出産した結果ですが、このために結婚観が日本人とは大きく違う部分があるのです。
男性が多いということは単純に女性が結婚相手を選ぶ時に自由度が高いといことになりますが、その場合競争率が高くなるため男性に求められる条件は必然的に厳しくなります。
そして求められる条件で大きな割合を占めるのはやはりお金です。
誰でも結婚後に良い生活を送りたいですし、そのために必要なのは金銭的なものでしょう。
よりよい条件を求めようとすると必然的にお金が条件になりえるのですが、中国ではその傾向が露骨です。
日本だと相手を選ぶ際にお金や家柄をまったく意識しないことはないですが、愛情が結婚を決める大きな鍵になりますよね。
でも私の周りの結婚に関する話を聞く限りでは金銭的なもので結婚するかしないかが判断されることが多いです。
中国の結婚できる条件
中国の都市部と辺境地では収入や消費の差がありますし、女性の家柄によっても変わりうるので結婚しようとする男性に求められる条件は人それぞれなのですが、ある程度世間で一般とされている条件があります。
まず一つは結婚後に住む持ち家があること。
日本で家を買うのであれば結婚後ローンで買うことが多いかとおもいますが、中国では結婚条件として完全に購入された家、もしくはマンションがなければならず、それが用意できない男性と結婚しようとする女性はほぼいないようです。
クルマも結婚の条件に入り、さらにそのランクも求められることがあります。
持ち家もそうなのですがクルマのランクは持ち主のメンツにも関わるという意識があり、良い家柄ではそれに応じた高価なクルマを用意しなければいけません。
また兄弟夫婦との競争心や仕事先での役職によっても求められるクルマのランクが上がることがあります。
ほかには「安定した職」というのも結婚条件に入ります。
都市部では企業の社員か公務員であれば安定しているとされているようですが、私の住む内モンゴルの辺境地では公務員のほかは牧畜業の事業主ぐらいしか安定していると見なされていないようでその他の職についている人はほぼ結婚の対象とみなされていません。
そして重要なのが中国の結納金なるもの。
「大事な娘さんを頂きます」
という気持ちを込めて男性側から女性側に送られるお金ですが、この金額がその結婚が成就するかしないかを左右します。
私の周りでは200〜300万が相場のようですが、人によって上下しますし都市部ではおそらくこれよりも高い金額でしょう。
金額は男性側の気持ちで決めるものなのですが、女性側の両親が提示することもあり、金額が高すぎて男性側が結婚を断念することもあるよう。
女性を嫁がせる両親からしたら
「これだけ払わないと娘はやれません」
というようなかんじですね。
感情的にはいいところまでいったのに自分の親の提示する額が高すぎて彼氏にふられたという女性もいました。
特殊な結婚条件も
上記の条件は中国のどこの都市でもあてはまるはずですが、場合によってはこれ以外にも条件を上乗せする人もいます。
例えば結婚相手の女性のために安定した仕事を紹介するといったこと。
これは人脈がものを言いやすい中国だからできる事といえますが、結婚したい男性の親戚や知り合いに公務員の幹部がいれば、その人に頼んでコネとお金で公務員職のポストを得られることがあるのです。
日本だと賄賂問題になりそうですが中国では日常茶飯事らしくこちらではそのような話をよく聞きます
結婚相手を選ぶ基準は愛情よりもお金が先
結婚前におつきあいして相手がどんな人かを見極めることのできる交際期間は結婚を成就させるためや、結婚生活をよりよいものにするためにとても重要ですよね。
日本であればいいなと思った人とおつきあいし、もし相性が良ければ結婚を前提にして金銭的なこと、子供や仕事のことなど相談していくのが一般的かと思います。
しかし中国ではいいなと思った人とお付き合いするわけではなく、金銭的な条件を見た上でようやく交際するかどうか決めるという日本の順序とは180°反対の進路で進めることが多いです。
中国ドラマでもよくあるセリフが
「お金がない人とどうやって恋愛するの?」
というもので聞いているとこの結婚観を感じずにはいられません。
結婚観の違いでアンバランスなカップルも
日本場合、結婚相手に愛情意外に求めるものがあるとするならば性格や容姿、学歴、金銭などですよね。
それらはカップル同士である程度バランスがとれていることが多く、性格や価値観の合うもの同士、容姿もある程度同じレベル同士、裕福な上流階級同士の結婚というものが多いかと思います。
しかし中国では結婚観の違いのためこのバランスが崩れがちです。
お金持ちの息子と社長令嬢の結婚といった金銭に関するバックグラウンドの適合性はまだあるでしょう。
しかし性格や容姿、学歴の面では夫婦の間のレベルに明らかな差があることがあります。
これは中国の男性にとって女性は貴重で数が少ないため選択肢がせばまり選りすぐりする余裕がないことがあるからだと思いますが、中卒レベルと大卒レベルの夫婦、美女と野獣カップルのような差の激しい夫婦も少なくありません。
ただこの感覚は日本人である私から見た時に感じるもの。
中国人から見れば日本のカップルはアンバランスなカップルばかりかもしれません。
日本人相手でも条件は厳しい?
上記のように中国では女性が男性に求める条件は厳しく、ここまでの話だと中国人女性とおつき合いしている日本人男性は結婚に対して怖じけずいてしまうかもしれません。
しかし実際に日本人男性が中国人女性と結婚すると中国での結婚観がそのまま用いられ男性にいろいろな条件が求められるかというと必ずしもそうではないようです。
結婚後、私のように中国に住むのであればほぼ他の中国人と同じように条件をつけられそれをクリアしなければ結婚できないかもしれません。
しかし日本に住むのであれば中国の条件がそのまま適用されるわけではなく日本に合わせた条件で結婚するケースもあります。
例えば中国では絶対必要な持ち家ですが、日本でローンを組んで購入し中国人女性と結婚に至ったというケースもありますし、結納金も小額ですませたという人もいます。
ちなみにお金持ちでない私の場合はマンションやクルマは買いましたが、結納金は相場より低めで勘弁してもらえました。
結婚後も女性が有利?
男性が多いということは結婚相手を探すときでは男性自身には不利になりますが女性にとっては反対に有利になるのは間違いありません。
どんなに学歴が低くても、どんなに金銭的条件が悪くても血を絶やさずに子孫を残したい男性とって女性は貴重な結婚対象なのです。
しかし結婚後はどうなのでしょうか。
婚前の女性優位の立場がそのまま結婚生活も続いていくのでしょうか。
中国では妻である女性が強い家庭は少なくありませんが、それは女性が少ないからというわけではなく、それぞれの夫婦の関係によるようです。
日本でも大黒柱である男性が強い家庭、しっかりした妻が主導権を握る家庭それぞれありますが、それと同じで個々の家庭によります。
ただ中国は女性が強い家庭が多いと聞いたことがありますし、私のところほか知り合いの妻たちのも旦那を尻に敷いている人が多いです。
美化されている日本人
条件をクリアして結婚にこぎつけたとしても、あとの生活がうまくいかなければしかたありません。
結婚後の生活に誰でも理想を持ちますが中国人の日本人に対するイメージが過大評価されていることがあるため、実際の婚姻生活が理想とかけ離れてしまっているという話をよく聞きます。
訪日した中国人旅行客の日本に対するイメージで多いのが、
「街がとてもきれい、きれい好き!」
「人々が気を使い合って礼儀正しい!」
というようなことですが、これは日本人の一面を見ただけで判断していることですよね。
確かに公衆の面前ではそんな人が多いですが、家庭内や自分のテリトリー内では乱雑な人や部屋を散らかす人もいるはずです。
しかしそんな場面を知らない中国人の日本人に対するイメージはその旅行者の感想のように美化されています。
そんな日本人と結婚しようとする中国人は結婚後の生活に対してもそのイメージのまま結婚生活の場面を想像するでしょう。
しかし結婚後の生活が始まると当初思い描いていたのと違うため日本人に幻滅し離婚という結果に終わることもあるようです。
私は大丈夫でしたが5年間で何度か妻にこれを言われたことがあります。
日本人男性が中国人女性と結婚しようとするのはハードルが多そうですが、結婚後自国で生活すると決まっているのなら国際結婚の障害を最小限に抑えられることができるかもしれません。
反対に中国人男性と結婚しようとする日本人女性は相手にお願いすれば可能な限り要求を聞き入れてくれることでしょう。
男性が不利になりがちな中国の結婚観ですが場合によってはそこまで悲観的にならなくてもよさそうです。