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日本では西洋医学が主流でほとんどの疾病は西洋医学の知識と技術によって治療すると思いますが、私のいる中国内モンゴルではモンゴル医学というものが存在し治療に用いられています。
今回私もモンゴル医学の診療を受ける機会があったので記事にしたいと思います。

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モンゴル医学とは

中国検索エンジン「百度」で検索したところによればモンゴル医学はモンゴル民族が長期間、大自然の中で暮らすうちに徐々に模索され築き上げられてきた医学とされています。
治療に使われる薬の材料は草原や森林の中にある植物や鉱物など自然由来のものばかりで疾病や外傷などの治療に役立つ豊富な薬学が形成されているようです。

診察方法が特殊

私が印象的だったのはモンゴル医学の診察方法です。
普通日本では問診のほか体温を計ったり聴診器を体にあてたりして診察しますが、モンゴル医学ではなんと手首の脈で診察します。
私の知っている限りその診察方法で内蔵の疾患の診断が可能。
私以外の人が心臓や胃などの臓器に問題があると診断されているのを何度か見たことがあります。
反対に骨折や外傷などの怪我的なものは日本と変わらない診療方法です。
というのは私の知り合いの子どもが足をひねって痛めてしまいモンゴル医師に診てもらった時は脈を診るのではなく、日本と同じように足をいろいろ動かして症状を確認し診察していたからです。

しかし日本人の私からすれば脈で内蔵の疾患がわかるのはかなり不思議な出来事。
日本であれ臓器の疾患は血液検査や尿検査などを経て診断されそうなものですが、脈拍と問診だけで疾患が判断できるのは驚きです。
このような話は日本人には信じがたいかもしれませんが、内モンゴルではこれが普通のようで患者さんも診療が終われば日本と同じように先生にお礼を言って病院をあとにします。

私の腰痛も看てもらうことに

私は日本で10年ほど飲食業に従事していたのですが、その時に患った椎間板ヘルニアや座骨神経症の名残であろうと思われる腰痛が慢性化し内モンゴルに引っ越した後もよく痛くなっていました。
基本的には痛まないのですが腰に負担をかけ続けると痛み出し、さらに最近では痛み方が変わったり痛む場所が移動したりと症状が変わってきたので、こちらの病院で診てもらうことに。
私の住む町は内モンゴルの小さな街ですが、モンゴル医療の診療所は数軒ありそのなかでも最寄りの診療所に行ってきました。

診療所に入ると問診が始まり、私は腰の事情を先生に説明。
最近の腰痛の事情を医師に告げると椎間板のせいじゃないかと言われ、大病院でCT検査をすることをすすめられました。
やはり怪我的なものはどこでも同じ治療の仕方のようです。
次にモンゴル医学特有の脈での診察が始まりました。
脈での診察は始めに右の手首の脈、その後左というふうに合計で1分ほどのもの。
静かな診察室の中で先生が私の脈を診た後に下した診断結果は「肾虚」という病名でした。

肾虚は中国医学の病名らしいのですが、私が思ったのはなぜモンゴル医の先生が中国医の病気の診断をしたのか不思議でした。
調べてみると現在のモンゴル医学は中国医や古代インド医学の理論を練り合わせて構成されていて、モンゴル医学の先生は中国医学にも精通しているのだそう。
そのためモンゴル医師の多くは中医学の知識も持ち合わせ診療に臨むことができるようです。

私のかかった医師の話では肾虚は中国医学の病名で西洋医学には存在せず認識されていない病気らしいです。
日本では肾虚による腰の痛みを訴えて病院で診察してもヘルニアや単なる腰痛として診断さるてしまうとのこと。
この肾虚を治すためにモンゴルの薬を処方してもらったので言われたようにしばらく飲んでみたいと思います。

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