水道も電気もガスもない生活は本当に大変か 中国内モンゴルでルプスの少女のような暮らし

私の住んでいた農村のように人の集まっているところではなく、全く孤立して放牧生活をして暮らしている親戚がいるというので妻と行くことに。
そこには年中冠雪しているような高い山はありませんでしたが「アルプスの少女ハイジ」の一場面のようなところに住む放牧家の暮らしぶりを見ることができました。

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家の周りは全部放牧地

私が今回行った放牧家のように人の集まる農村を離れ、草原の真ん中に家を建てて放牧する人もいます。
集落を離れて放牧する最大のメリットは家の周りが全て牧草地なので手軽に放牧できること。
家を一歩出れば草原なのでウシを家から出すだけで餌を与えることができますし、近くに住んでいる放牧家もいないため他のウシと餌を取り合うことがありません。
このメリットを活用するためこのような人は飼っている家畜の数が人よりも多いです。
今回訪ねた人は100頭以上の肉牛を飼っていると言っていました。

電気代いらずの生活

草原の真ん中に一見だけ建っている家に電線による電気が供給されているはずがなく、電気が必要なら自家発電する必要があります。
ガソリンで稼働する発電機も置いてありましたが、その家で使う電力はほぼ屋外に設置されているソーラーパーネルだけで事足りるよう。
約1m×0.5mのパネルが一枚だけ設置されていましたがそれで電灯、冷蔵庫、テレビの電気をまかなうことができているようです。
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というわけで電気代はゼロ。
しかも太陽光で電力が作られるのでクリーンなエネルギーです。

置いてあったガソリンで動く発電機は、日本でもお祭りで屋台を出している人が使っているブルブルと音がうるさいやつです。
重さは50キロほどと重いですが持ち運びは可能なので屋外で草刈りやトウモロコシ刈りを行う時に使っているようです。

こんな発電機です↓ ↓ ↓

ヤマハ 発電機 60HZ 西日本地域専用 EF23H

電気は節約必死

その家では電気はソーラーパネルからの供給で足りているとはいえ無駄遣いは禁物。
内モンゴルは基本天気がよく太陽もよく照るのでソーラーパネルは性能をフルに発揮できそうですが、それでも晴天ばかり続くわけではないからです。
季節によっては一日中雨のこともありますし太陽が陰る曇りの日もないわけではなく、太陽光発電ができない時もあります。

日本の家庭でも同じですが生活していく上での基本はやはり節約。
電灯も暗めのもので電力があまり消費しないものを使っていますし冷蔵庫も最小限の小さいものでなんとか過ごします。
といっても内モンゴルの農村では冷蔵庫は小さくても十分生活できます。
内モンゴルは基本涼しいので屋内や日陰では野菜を放置できますし冬であればを気温が下がるので屋外は天然の冷凍庫。
冷蔵庫はあってもそこまでフルには利用しないのです。

通学や買い物

その一家はお子さんが一人いて最寄りの学校に通っています。
しかし最寄りといっても家から丘や砂地を越えて5キロ以上ほど離れたところ。
夏はバイク、冬はクルマで送り迎えしているようですが道が悪く結構大変そうです。
私もその学校のある街からクルマでこの家まで来たのですが道なき道で運転にはかなり気を使いました。
また食材や生活必需品も学校のある集落まで降りて買わなければいけませんし、何か急用の場合もすぐには目的地に着くことはできないので不便は不便。
唯一放牧地である仕事場はゼロ距離なのでその点はかなり便利でしょうが。

牧畜業は大変

放牧という仕事は牛舎の掃除や搾乳以外は基本的にあまりやることがないので仕事量的には少ないと言えます。
ウシの数にもよりますが片手までもできる仕事で兼業でやっている人もいるほど。
飼っているウシも乳牛と違い牛乳の出が少ない肉牛なので子育ての季節限定です。
      →草の香りがする搾り立て牛乳をいただきます

放牧家は一日が始まるとウシの放牧を始めますがその家の周りは全部草原なので餌には困りません。
人が給餌をする必要もなく生えている草をウシが勝手に食べるだけなので手間は全くかからず日暮れまではほぼ放置なのです。

しかし冬になれば草原には一本も残らず草が枯れてしまうので秋のうちに人が干し草やサイロなどを作り餌として貯蔵しウシ達に食べさせるのですが、その作業がとても大変です。
秋になるとどの家も一斉に草やトウモロコシの始めますが、その量がハンパではありません。
農業用機械も活用しますが機械の入れないようなところもあるので人の手で刈り取ったり運んだりしなければならない時もあるのです。
飼っているウシの数にもよりますが朝から晩まで1ヶ月から人によっては2ヶ月以上続きます。

田舎生活は大変というか不便です

放牧家は秋の収穫の季節以外はのんびりと過ごせますし、生活費も都会のようにはかかりません。
しかし住むところが農村というだけあり、用事がある時は遠い街まで出かけなければいけないのは不便ですし、場所によっては大変です。
特に私の訪れた家のように用事がある時は広い草原を越えなければいけないのは時間もかかりますしガス代だってバカにならないでしょう。
しかも通学の送り迎えなんてほぼ毎日ですし必ず2往復はかかるはず。
放牧のしやすさと引き換えに利便性が失われていると言えます。

だれでもそこに住むべき理由やメリットがあるからこそ、それぞれの場所にとどまっているのだと思います。
どこに住むべきなのかというのはそれぞれのライフスタイルや仕事によって変わるので、その当事者以外の人がとやかく言うのは意味がないかもしれません。
しかし放牧という仕事は時間に縛られがちな今の世の中、のんびりと有意義に過ごせる時間が比較的多い貴重な仕事のように感じました。

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