地方都市にフランチャイズ飲食店を開店して失敗 中国の辺境地で開業したカフェレストランの末路

飲食店

地方都市では飲食業界においてもまだまだ開拓されていない業態がありビジネスチャンスは豊富です。
しかし経営戦略を間違えると消費者に受け入れてもらえず悲惨な末路をたどることになってしまいます。

スポンサーリンク

その街では珍しいカフェレストランが開店

私の住む中国内モンゴルの街に始めてカフェレストランができました。
そのお店は中国では有名なチェーン店で中国本土に400店舗以上展開。
ブランド力という意味ではかなり強くフランチャイズでの加盟も人気のようです。
しかしそんな有名チェーン店でも地方都市では戦略を誤ると苦戦をしいられてしまいます。

ホテルのようなオシャレな店内

そのカフェレストランは私の街ではまだあまり見られないほどの豪華な改装で、高級ホテルのラウンジにあるカフェのようなつくりでした。
床は絨毯ばり、天井にはシャンデリア、そして店内にはゆったりしたソファーやテーブルが設置され目を見張るような高級なつくり。
私の街ではこのような内装の飲食店はまだ珍しく、人々にとっては魅力的に見えるでしょう。

中国の接客はまだまだ

しかしそんなかっこいいお店でも接客態度はというと、そこまでではないことがよくあります。
中国の飲食店では日本ほどサービス精神を高くもっているわけではないようで、いくら店舗に高級感があるといっても割とぶっきらぼうに対応されることもしばしば。
そのカフェレストランも例外ではなく日本の高級店のような接客ではありませんでした。
例えるとするなら古びた食堂のような接客。
日本のそのような食堂の接客ではまだ笑顔が見えそうなものですが、そのお店のスタッフはニコリともしません。
店内の作りと接客態度に大きなギャップを感じました。

北京や上海の主要都市ではまだ良いのですが特に地方都市ではサービス精神に日本と顕著な差があるのはどこの飲食店にいってもわかります。
もし日本人が中国の地方都市で飲食店を開業しようものならその接客の良さに驚かれることでしょう。

メニューに中国料理が

中国の飲食店のメニューは日本よりも豊富に構成されています。
中国人のお客さんはたくさんのメニューから選びたいという心理が強く、メニュー数の少ないお店は敬遠されがち。
業態にもよりますが規模の小さい20席ほどしかないようなお店でも50種類以上の料理メニューが必ずと言っていいほどあります。

私の街のそのカフェレストランでもその傾向が強く出ていました。
前菜からデザートに至るまでの料理のメニュー構成はパッと見ただけでも100以上。
しかもそれは西洋料理だけのメニューで中国料理用のメニューが別にありました。
そのお店は西洋料理と中国料理、2本立てで提供していて、両方ともメニューが豊富。
中国人はたくさんのメニューの中からパッパと選んでしまうようですが、日本人の私にはどれを注文しようか困るぐらいのメニュー数でした。

カフェに中華料理という違和感

私が日本のカフェレストランと言われて思い浮かぶのがスカイラークグループの運営するデニーズ。
デニーズも洋食を中心としたメニュー構成ですが少なからず和食系メニューも提供しています。
日本人と和食は切っても切り離せない関係にあり、デニーズに和食系メニューがあるのに違和感を憶える人はいないはず。
これを考えると中国の洋風カフェレストランに中国料理があってもおかしくはないでしょう。
しかし私の街にできたカフェレストランは洋食も中華も異常なほどにしっかりとしたメニュー構成で私を驚かせました。

地方都市では価格を低めに

そのカフェレストランではメニューの値段はコーヒー1杯でも日本円で400円ぐらい。
パスタ一皿800円からと日本にある同じようなお店に比べれば単価は低めです。
しかし平均収入が日本より少ない中国人にとってこの値段設定はそのお店をよっぽど気に入らなければリピートしないでしょう。
それも中年の割とお金がありそうな人ぐらいのもので、パスタやピザが好きそうな若者では寄り付こうともしない価格設定です。
店内の雰囲気が良いお店は結婚記念日やデートに使われそうですがとても若者が手を出せる価格ではありませんでした。

全国チェーンでもその土地ごとのニーズに合わせるべき

私の街にオープンしたこのカフェレストランの失敗点は他の系列店と全く同じような経営の仕方だったからだと私は考えました。
中国の地方都市で開業したのにも関わらず、北京や上海と同じメニュー構成や値段設定にしてしまったため人々に受け入れられなかったのです。
大都市でも人気のある洋食のメニューやおしゃれな雰囲気のお店をまだ未開拓の地方都市でも提供しようとするのはいいのです。
しかし地方都市の人々はそんな飲食店は求められておらず、もっと安価にそして気軽に行けるお店で食事をしたいのです。

結局このカフェレストランは1年ほどで閉店してしまいました。
中国では主要都市と地方都市では物価や消費に大きく差があることもしばしばあり、飲食店でも同じ経営の仕方では成功する確率は低いでしょう。
日本でも中国ほどではないものの都市によっては消費の感覚に差があるはず。
地方都市出店は十分なリサーチをしなければなりません。

スポンサーリンク

スポンサーリンク

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です